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日記,ポケモンアレンジ小説中心に更新中のブログサイトです! ※This site is Japanese only.
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おはようございます!
昼夜逆転…してしまいましたw お陰様でこの時間帯に更新です。
今回は、キャラが増えてます。そろそろ、人物紹介を更新してもいいかな?とか考えてます。


では、読む前の注意事項いきます!!
・男主人公。
・これから書く本編へ繋がる鍵となる章です。
・漢字の間違えとか文とか気にしない。
・主は文章能力はないからね?(´∀`)
・背景の絵写的な要素少なめ。
・↑だから心で、感じやがRE。
・うん、これはもうお話っていきだ、小説ではないNAI♪
・↑それでも誤字脱字教えてくだされば嬉しいです。
・感想嬉しスw
・これ、フィクションね(・∀・)
・そんでもって、読んだ事妄想して頭で具現化する 能力 !! コレ大事。


以上を守れる方は、下記から13お楽しみください。




======


 ハルモニアとその獣達の誘導によりなんとかドリフト国を抜けた。タキを任されたバルジーナは、砂漠地帯を抜けて海の王国…サザン国へと羽ばたいていた。背で眠るタキを落さぬようバルジーナは飛行に苦戦しながらも空を飛び続ける。

 砂が荒れ視界が見えなくなってきた。バルジーナは眼を細めてその場をやり過ごす。肌に砂が当たる衝撃が痛い。しばらく荒れ狂う砂地と戦っていると辺りが晴れ渡り、大きな草原が見えてきた。バルジーナは頭の上に着いた砂を首を振って払うと、急カーブして海の見える方向へと向かった。風向きも丁度追い風なので楽に進む。
 海の沖には、真っ白なレンガで出来た建物がずらりと並び、その家々の間に水が通っているのが解る。城も真っ白で海からの日差しを浴びて光っているようにも見えた。バルジーナがようやくと眼元を緩ませホッとしていればサザン国城内に入る。ドリフト国とは大違い。庭は可愛い獣の形をした木々が多くあった。

 そろそろ城へ降りようとバルジーナは首を屈める。だが、途端に真横から大きな熱い炎がバルジーナに向かって放たれた。燃え続ける自分の体にバルジーナは苦しそうに鳴きながらもがき、ついには背に乗っていたタキがふらりと背中から落ちてしまった。

 炎に体を焼きつけられているバルジーナは、タキが背から落ちてしまった事に気が付くはずもない。タキの体は、頭からサザン城の庭へと落下していく。このままじゃ、どうなるかわからない。
 内側から見ていたクジャは赤い球から光を放ちながら外へと飛び出した。球から出た反射でタキから距離が離れてしまうが、長い体を伸ばして必死に落ちていくタキへと近づく。タキが手を伸ばせば届く距離にいるクジャも彼が眠っていればそれさえも叶わず、そのまま落ちていってしまう。
 嫌だ。







 

 嫌だ!











 嫌だ!









 嫌だ!


「クぅジゃああぁっ!!」

 嫌!
 タキにこんなに傷を負わせてしまったのも私の責任。もう、二度と彼を失うようなことはしたくない。
 高ぶる感情に身を任せて、クジャはタキに向かって大きく吠える。瞬間、タキとクジャはサザン城の庭に在った水辺へと落ちた。
 水面を叩く大きな音と獣の叫び声にサザン城の人々は身震いしながら顔を見合わせる。

「今の鳴き声…なんだ? 聞いたことねぇけど…」

 サザン城の中で、食事の支度をしていた三人の一人が窓硝子を見て言う。赤毛の少年は、ソースのデコレーション施した皿を片手に窓際へと向かう。その隣に緑の短髪の少年がやってくると窓を開いて庭を見つめた。 

「うん、間違いない。業(ゴウ)、今の鳴き声は獣の声だよ」

「それにしても凄い悲鳴でした。一体、何があったのでしょう…」

 急いで手を洗ってやってきた、もう一人の青髪の少年も窓から庭を眺める。三人は、庭を双方に辺りを見回しながら獣の姿を探した。そう、この三人は兄弟。赤毛の少年は業(ゴウ)、緑の髪の少年は茶紀(サキ)、青髪の少年は冷(レイ)と言う名である。彼らは、このサザン城の執事をしている。
 窓辺から庭を探していれば、廊下側から大きな足音が聞こえてきた。バタっと扉が開かれるとそこには、紫がかった長髪の少女が現れた。ふわふわしたその髪を上に二つに束ねている。肩の上には、ドラゴンのキバゴがのっていた。彼女が現れるや否や、業は溜息をつきながら片手を腰にあてる。

「まぁたお前か、イリス。食材荒らしにきたんだろ? だからお前は太るんだよ! 朝食の支度ができるまで待ってろ」

「なによ?! アタシは食材荒らしに来たんじゃないもん! 業ってホント、無神経な男ねぇっ」

「なんだとぉ?!」

 二人が睨みあった瞬間、茶紀は苦笑いしながらまあまあ、と二人の制裁に入った。冷のほうは、見れたものではないと溜息を濡らしながら腕を組んでいる。イリスと呼ばれた少女は、業を無視して茶紀の手を握った。

「ちょっと来て!」

「え?」

 イリスの手に引かれて茶紀はキッチンを出る。急に走り出した二人を見て、イラついてしまったのは業で二人を追って彼もまた走り出した。冷は、イリスの事情を察していたようで追わずに一人で食事の準備を続ける。
 キッチンから飛び出していった二人を追いながら業は怒鳴り声を上げる。

「コラぁ! 茶紀を連れて何する気だ!」

「うるさいわね! アンタには関係ないわよ」

 廊下を走っていた二人は一階の窓を飛び越えると庭へと向かう。それを業も追う。庭に出て、イリスが茶紀を連れてやってきたのは、この城で最も大切な場所の一つである水の祠の前だった。祠と言っても、ただの一周り大きな水辺だが真下に大きなお城があるのだ。
 イリスは、茶紀に顔を合わせて口を開く。そんな二人の後を追ってきた業も不思議な雰囲気に目を細めた。

「さっき、ヒメちゃんの庭仕事を見てたら急に人とジャローダが空から降ってきて…この水の祠に落ちていったの。早く助けないと!」

「うーん…だけど、困ったなぁ。この水の祠は、獣王様が住み着いているんだ。水中に入るのはフレイム王様の許可を得ないと…」

「そんなこと言ってたら助かんないでしょ?! 茶紀も、ついでに業もいるんだから! ヒメちゃんも今、ダリアンさんを連れてきてくれてるわ! 5人がかりならジャローダとその人を水底から引っ張り出せるかもしれないじゃない」

 茶紀を必死で説得しているイリスを見て業は来ていた服の袖をまくり水辺の前に立った。

「説明してたらジャローダはともかく、人間の方は死んじまうぞ。やるなら早くしようぜ」

「業! 何言ってるんだ!」

 言い争いをしていたら水面に見たこともない獣の影が映った。気づいた三人は、その影をじっと見つめる。水面の影は仔馬の姿をしていた。目元が輝くと、水面が段々と盛り上がって大きな水の球体が出来上がった。中には先程、この水の祠に落ちたタキとクジャがいる。水の球体は地面へと落ちると水しぶきを上げながら地面に吸い込まれていった。残ったタキは少し咳き込み、クジャは身震いしながら眼を見開いていた。

「あれって…獣王様? アタシ、はじめて見た」

「僕もだよ…」

 茶紀とイリスが顔を合わせて言っているなか、業は一人タキとクジャの元へと向かう。よく見たら、ジャローダも首元に爪で刺されたような痕がある。人間のほうは、ジャローダがその周りを大きな体で囲んで護っているせいで様子を見る事が出来なかった。

「ほら、もう大丈夫だぞ」

 優しくそう言いながら手を伸ばすと、ジャローダは唸り声を上げながら業を睨んだ。その瞳にびくりと体を震わせる業の隣に茶紀とイリスがやってくる。

「野生のジャローダと眼を合わせたら駄目だよ。体が動かなくなってしまう」

「ああ…ありがと」

 冷汗を頬に業はジャローダに眼を合わせるのをやめた。イリスは悲しげにジャローダの首元を見つめる。

「だけど、この子はそこにいる人の獣でしょ? 空から落ちてくる前になにかあったのかな…」

「それもあるんだろうけど、一番は獣王様の気に触れてしまったからだと思う。この水の祠に住んでいる獣王様は、優しさと強さを持ちながらも、憎しみも持っているそうなんだ」

 茶紀は、言いながらゆっくりジャローダに近づき眼を合わせた。ジャローダの方は、凄い形相で茶紀を睨んでいる。茶紀は、優しく微笑みながらそんなジャローダに眼を合わせた。

「僕達は、君や君のパートナーに危害を加えたりはしないよ。だから、君達の怪我の手当てをさせてくれないかな…」

 ゆっくり近づいてそっとジャローダの頬に触れれば、ジャローダは茶紀を睨むのを止めてそっと、自分の身で隠していたタキから離れた。現れたタキは、ぐったりと体を地面に付けていた。顔の血色も悪い。もう、死んでしまっているようにも見えた。イリスは衰弱しきったタキの姿を見て口元を手で覆う。

「酷いっ…どうして」

 このジャローダとこの人に何があったの?
 思っていたイリスから離れて、業はジャローダの体を跨いでタキの口に手を当てた。小さく吐く息が業の手の平に当たる。

「まだ生きてる!」

 業は急いでタキの体を背負うと城内へと駆けだした。待って、とイリスも業の後を追う。茶紀は、ジャローダの頭を撫でると真剣な顔で業の背にいるタキを見つめた。

「大丈夫だよ。君のパートナーは、絶対に助かる。さっ、君も手当てをするから僕に着いてきて!」

 ジャローダのクジャは、茶紀の言葉にこくりと頷くと痛む身体を引きずってサザン城の中へと入って行った。




======




 廊下を駆ける音が今日は多い。毎日忙しい事だらけで大変…
 だけど、庭を綺麗にしながら空を見るのはとても気持ちがいい。桃色の色鮮やかな髪を揺らしながら、少女は廊下の窓から空を眺めていた。

「本当に凄いなぁ…いつか、遠くの空まで飛んでいきたいよ」

「はっ…まったく。空ばっか見てないでイリス達を探せってんだ」

 掃除をしていたのに、と少女の隣で少々小柄な男がしかめっ面のまま廊下側の窓から庭を見渡す。イリスを探しているこの二人は少女の名前がヒメ、男の方の名前はダリアンだ。二人は、このサザン城の庭師をしている。

「うーん…イリスちゃんいないなぁ…まだ茶紀君を探しに行ってるのかな?」

 悲しげにそう言うヒメはまだ空を見上げていた。呆れた表情でダリアンは、自分だけでも仕方なしに庭を見渡す。そうしていると、一階の廊下を走ってくる業とイリスの姿を見つけた。
 上から業を見ていれば誰かを背負っているように見える。二人とも顔が真っ青だ。ダリアンは、ヒメの肩を叩くと庭の花畑の方を見た。庭の花畑では、モグリューが花の苗を植えていた。

「おーい、モグリュー! 一旦休憩だ! 救護室に集まるぞ!」

 モグリューは聞きながら花の苗を一気に二つ植えると小さな歩幅で花畑を駆けだした。ヒメの方はダリアンの体を見て謎めいた顔をしている。

「ダリアン…どこか具合悪いの?」

 寝ぼけたような発言にダリアンは頭を抱えて、二階の窓側から少し見える一階の廊下を指差した。

「い・ま! イリスや業が通って行っただろう?! 見てなかったのか?!」

「ふぇ? ああ…うん! ごめんね、空がとても綺麗だったから」

 照れた顔で舌を出しているヒメを見ていれば、余計に自分がいつもヒメと仕事をしていて耐えられるなと思う。

「とにかくだ…どうやら、もう水の祠に落ちた奴等を引っ張りあげたみたいだった。業とイリスも多分、救護室だ。早く行くぞ」

「ええ?! まっ、待って」

 ヒメは慌てて走って行ってしまうダリアンの後を追った。




===




 サザン城の窓は、水の祠がどこからでも見える様に庭を囲う様に出来ている。救護室もその一つ。廊下側からは、ドタドタと何人かの足音が聞こえる。大きく音を立てて開かれた救護室の扉の中には、黒褐色の美人な女性がいた。

「ベラ! 急いでコイツを見てやってくれ!!」

 誰かを背負って必死でそういう業に、女はタブンネを手招きして椅子から立ち上がった。

「早くその子をベッドに寝かせな! タブンネ! 消毒液とガーゼ持ってきておくれ」

「ブンネ!」

 女医、ベラの声にタブンネは答えると直ぐに道具を取りに隣の部屋へと向かう。業は、ベラに案内されたベッドに背負っていた名の知らない少年を静かに横に寝かせる。

「どいてな」

 ベラは、業をベッドから離すと少年の瞼の下を指で押さえて見ていた。後ろから様子を見る業の隣にイリスもやってきて少年を心配そうに見降ろす。

「この子…大丈夫かな?」

「ああ…」

 二人で心配そうに見ている中、ベラは少年の血で染まった首元に手を触れた。傷跡はあるようだけど、傷が開いてる訳でもないみたいだ。それにしても顔色が悪すぎる。貧血と疲労か。ベラは、呟きながら少年の体の節々を見て口を開いた。

「この子は、街の子じゃないだろ? どこで倒れてたんだい?」

「空からジャローダと一緒に降ってきて…水の祠に落ちていったの。そしたら、水の祠に住む獣王様が出てきて、この人とジャローダを救った…」

「余所者でもこんなに苦しんでんだ! 助けてやってくれ!」

「そんなの、言われなくても解ってるよ。そうなると、この子が…」

 話をしているとタブンネが道具を持って戻ってきた。ベラは、タブンネを横に少年の服を脱がしていく。後ろで見ていたイリスは、顔を真っ赤にしながら少年から眼を放して小声で呟く。

「なんで何も言わずに脱がすのよ…」

「別にいいじゃねぇか。緊急事態だ」

「そうだけど…」

 恥ずかしそうにしているイリスを横目にベラは背中や腕を見る。しかし、傷はあっても擦り傷程度。一番深かったのはこの首筋の傷か。頭は後頭部が少し切れている。一応、頭の手当てと擦り傷は塗り薬を塗っておくか。
 ベラは、タブンネが持っている救急箱を開くと消毒液とガーゼをピンセットで摘まんで後頭部の傷の消毒をし始めた。すると、救護室の扉がまた開いた。今日は客が多いね。ベラは内心そう思いながら手当てをする。
入ってきたのは、ヒメとダリアン、それのパートナーであるモグリューであった。ダリアンは、業とイリスの隣についた。

「イリス…すまん。二階からお前達の姿を探してたんだが見つからなくてな。やっと見つけたと思ったら、もう救出しちまってるみたいだったし」

「ううん、こっちこそ呼んでおいて先に済ませちゃって…」

 ダリアンとイリスの話を耳に、ベラは少年の手当てを済ませると、血塗れの服を捨てて白いYシャツを着せると布団を肩までかけた。業は近寄ってベラを見つめる。

「どうだ?」

「ああ、確かに深手を負っていたみたいだけど、先程までここに話しをしにきていたリバティ王様の言うとおり、首元の傷はもう傷跡になって止血されてる」

「リバティ王様? フレイム王様の旧友が来ていたのか」

「緊急でね。ドリフト国のディスコード王様にパーティに誘われたみたいだが、何かあったみたいだよ…。この子は、リバティ王様の秘書、付人で自分の身を呈してリバティ王様だけをサザン国へ逃がしたそうだ」

「そうだったんだ…」

 ベラの話にイリスが頷く。その横でヒメが笑顔で少年の傍まで行って顔を覗いた。

「綺麗な青空を雲が覆っていて…その隙間から光みたいにこの子とジャローダは落ちてきたんだよ。今回は、上手く飛べなかったみたいだけど……今度は絶対羽ばたけるよ!」

「……何言ってんだお前は…」

 呆れた顔でよく意味も解らないまま業はヒメにそう言った。そうしているうちに、ベラは救急箱をタブンネに持たせたまま扉を開く。

「イリス! アンタも着いてきな! 茶紀がいるから大丈夫だろうがジャローダの方も様子を見てくるよ!」

「はーい! あ、そうそう…ヒメちゃんとダリアンさんは、薬草と匂い花を取ってきてくれないかな?」

「んー、いいよ! 任せて!」

 爽やかにヒメはそう返すと、ベラとイリスはタブンネを連れて救護室を後にした。ヒメとダリアンも出ようと扉を開けるが、業はダリアンと顔を合わせると真剣な表情で口を開く。

「コイツ…貧血と疲労って言ってたよな…」

「そうだが…どうした?」

 急に迫られて驚きながらダリアンは業を見ていると、ニヤリと微笑んで業は腰に手を当てた。

「よし! 冷と一緒にうめぇ御馳走作ってくる! 早く元気になってもらわないとコイツのジャローダも心配してたしっ」

 嬉しそうにそう言いながら業はヒメとダリアンより先に救護室を飛び出して廊下を走って行った。ダリアンとヒメも一度、少年の様子を見ると庭へと足を進めた。




===




 暗くて寒い水の中。眼を開いて見渡しても、全く景色が解らない。色がない。でも、何故か不思議と楽な気持ちになれた。暗かった水の中は、少しずつ光が当たって仔馬の影が浮き出てくる。その姿は、後光のせいで確認は出来ないが自分を救ってくれた獣だとタキは理解した。 

「(我が海底の国へ来た人間よ。少しは楽になれたか?)」

 優しく水の中、耳元に届くその獣の声。気品ある話し方に、身近な人を思い出す。

「はい。貴方が助けてくれたのですね」

 タキの言葉に馬の影が首を縦に振る。

「(然様、私がソナタを救った。ソナタは、我が人間の王と同じ心の香りがした。私は、ソナタ達の言う獣の王)」

「獣の王様…?」

「(ソナタが我が国に入った時、この袋も共に入ってきた。忘れずに持って帰るのだ)」

 そう言われて獣王は、タキにリボンの着いた袋を渡した。袋の中には箱が入っているようで固い。

 これは…ハルモニアの汽車の玩具じゃ……

 タキが袋を見ていると獣王の影が揺れる。

「(ソナタは、人間でありながら我が海底の国に入った。その罪の代償は大きい。しかし、我が人間の王と同じ心の香りがした。私と共にソナタもあってほしい)」

 それって…ここに一緒にいろ、ていうことなのだろうか?

 タキは一瞬戸惑うが首を横に振ると獣王に頭を下げた。

「すみません…貴方の国に足を踏み入れて本当に申し訳ないと思っています。俺やクジャを救ってくださったのにも恩義があります。しかし…俺にはまだ夢があります。その夢には、沢山の人々や獣も関わっている。なので、その夢を叶えるまでは貴方の願いを聞いてさしあげる事はできません」

 そうだ。まだリバティ王様との夢の実現もある。ビクだって、ディスコード王になんて絶対に渡さない。

「(承知した。では、ソナタが夢を叶えた後、我が冠にその優しき心を潤しに来なさい)」

 水中に映っていた仔馬の影の言葉を最後に、また辺りが暗くなっていく。水中に浮かんだ体の感覚や寒さも消え、ゆっくり瞼を開いた時、俺は誰もいない部屋の一室のベッドに横たわっていた。


 14話に続く…

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代珠
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性別:
非公開
自己紹介:
▼代珠(よず)
October 10
  学生
出身:シンオウ地方 コトブキシティ

ゲームや漫画好き。物語の構想を練るのが好物。←または捻る。←の作業時はとにかく変人になる。アップルティーが好きでチーズが嫌い。自分でよーさんとニックネームを付けている、なんか寂しい人。


▼スタ
September 20
  学生
出身:シンオウ地方 ハクタイシティ

 いつも物語の感想や間違えを指摘してくれる、代珠の心強いお友達。ホムペ等を作ってくださっています。好きなものはお猿。トラウマは、多分ゴリチュウです。
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