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日記,ポケモンアレンジ小説中心に更新中のブログサイトです! ※This site is Japanese only.
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こんにちはww
今回は、ちょっと眠くて… 話がおかしくなってるかもしれません。
でも、きっともうこれでいいんだよ、うん(おい
これを更新したら、来週の火曜の夜中、もしくは水曜日の朝まで更新できないです。赤点取っちゃったんでw
楽しみに待っていてください。頑張ります!
そして、一応…
ビク編と○○編で分ける予定でしたが、分けないで合体させます。
前回ビク編を読んでくださっていた方々は、①から読んでください。
ビクとのお話はまったく変わりません。



では、読む前の注意事項いきます!!

・男主人公。
・これから書く本編へ繋がる鍵となる章です。
・漢字の間違えとか文とか気にしない。
・主は文章能力はないからね?(´∀`)
・背景の絵写的な要素少なめ。
・↑だから心で、感じやがRE。
・うん、これはもうお話っていきだ、小説ではないNAI♪
・感想嬉しスw
・これ、フィクションね(・∀・)
・そんでもって、読んだ事妄想して頭で具現化する 能力 !! コレ大事。


 以上を守れる方は、下記から5をお楽しみください。



======


 男の声を聞く度にタキの胸でがたがたと震える白い獣。タキはそんな獣の頭を撫でると、自分を睨み続けている男に視線を移す。

「なんでお前がここにいるんだ」

「そいつがここに逃げたからだよ。折角捕まえたってのによ…」

 溜息混じりにそう言うと、男は閃いた顔をしてタキに指をさした。

「そうだ! おめぇ、珍しい獣が好きなんだろ? 前もビクティニを1000万で買ってやがったもんな」

 厭らしい顔つきで男はタキと白い獣を見ていた。何か企んでる。

「だからなんだ」

「だからだよ。前のは無かったことにしてやるから、その獣買ってくれねぇか? 人間を護ってくれるし、楽しくねぇ時は歌だって唄ってくれる。命令すれば全部思い通りだ。まあ、今はまだ躾がなってねぇから…しばらく俺に預けてくれりゃどうにでもなるぜ」

 本当になんて人間だ。ビクが人間を嫌う様になる理由も、こういう人間を見ていれば分からなくもないな。タキの胸にいる白い獣は、顔を埋めて震えながらも男の言葉をやり過ごしているようだ。
 もう、この男とは話したくない。けどこの獣を男に返すのも心が痛む。

「……いくらだ」

「おほっ! やっぱそーだったかぁ。いやいや、いいねぇー! 俺は、グロウってんだ。かっけー名前だろ?」

「名前なんていいから、早く値段を言え」

 今までの男…グロウの発言で胸が段々していたタキは、グロウを睨むが気にせずに男は続ける。

「まあ、そう焦んなよ。商品は逃げはしねぇ。ところで、アンタの名前だが…」

「……聞く事に意味はあるのか?」

「あるに決まってんだろ? アンタがその獣連れてとんずらしようとしたら困るからな」

「…わかった。タキだ」

「ほぉータキ、ねぇ」

 グロウは上着から紙と羽根ペンを取りだすと何かを書きはじめた。そして、タキのもとへ来ると紙とペンを差し出す。

「ほい、契約書だ」

 そういうことか…。タキはペンだけを受け取ると紙に自分の名前を記入した。瞬間、タキが持っていたペンを手荒に取り上げる。鼻歌なんて唄いながら契約書を見ているものだから、一層苛立ちが膨らんだ。はやくコイツと離れたい。

「へぇー結構綺麗な字だな。どっかの貴族かぁ?」

「関係ないだろ」

「はっ! 売り買い仲間じゃねぇか、堅い野郎だな、タ・キ・さ・んは」

 嫌味ったらしく言うとグロウは契約書を綺麗に折りたたんでペンと一緒に上着にしまい込んだ。

「んで、肝心の値段なんだが…」

 大きな身振りを付けながら考えたふりをすると、何秒もしないうちに指を鳴らして合図を送ってきた。グロウの顔は、先程からの発言通り本当に何を考えているのが分からなくて気味が悪い。

「2000万」

「2000万?!」

「あん? そんな困る金額じゃねぇだろ? ここいらじゃ御目にかかれない獣だぜ? ってか、俺も見たことねぇーんだからな。それくらい当り前の金額だろ?」

 グロウに言われた言葉は事実だ。タキは何も言えなくなり喉を詰まらせた。この白い獣、俺も見た事はない。きっと、別の地方の獣だろう。
 だけど、2000万も払えるわけがない。だって…ビクを助ける為に使ったお金は、王様から頂いた指輪を売って作ったものだったから…。でも、こんなにコイツを怖がってるのに獣を返すわけにもいかない。
 今まで強気だったタキから視線を逸らされたグロウは、弱みを握った事を知り腕を組んでみせた。

「ありゃりゃ? もしかして…払えない金額なのか?」

 図星を突かれたタキは、何も言えないまま白い獣を抱きしめていた。どうすればいいんだ。一体、どうやったらこの獣を救える…?

「あぁー…どうしようか? もう契約しちゃったしなぁ…破棄は不可能なんだよ」

 耳元で声がしてハッとタキは我に返った。考え過ぎてグロウの気配にも気付く事ができなかった。グロウはタキの左肩に手をのせて、耳元で囁く。

「んで、どう払う? 金目の物とかでもいいが…もしくはタキさんの飼ってるこのでけぇーのでも構わねぇけど」

「っ! クジャは俺の大事な家族だ! 物じゃない」

「そんなん言える立場か? 今、おめぇは俺様に借金してんだぞ?」

 タキの左肩にグロウが爪を立てた。痛みに声を漏らしつつも睨みあげれば、グロウの無機質な眼と眼が合い先程と立場が逆転したことを知った。

「どぉーすんだぁ? おい」

「いっ…!」

 痛みに耐えるタを見ていたクジャは、唸り声をあげながらグロウに襲いかかる。それに気がついたタキは、グロウの目の前に立った。

「駄目だクジャ!」

 タキの制止の言葉にぴたりと動きを止めると悔しそうにクジャはグロウを見つめた。その姿を見て少しほっとすると、タキはクジャに優しく微笑んだ。獣も人間も無暗に攻撃してはいけない。たとえどんな人でも。

「ひゅー、俺を護ってくれてありがとぉーな。まったく、勇者ごっこは大変だぜ」

 そう言って喉で笑うグロウ。タキは、一呼吸すると固まっていた口を開いた。

「少しずつ払うのは駄目なのか?」

「一括のほうがいいなぁ。まあ、それでも構わないが俺の気が変わったら、アンタのこと殺しに来るかもしれないぜぇ?」

 ちりりーん

 急にタキの胸に顔を埋めて震えていた獣が顔を上げてグロウを見て鳴いた。何故、反応したのかは分からないが綺麗な鈴の音で必死になってグロウに何かを伝えようとしていた。
 大丈夫だよ、とまた頭を撫でてやるが全く聞いていない。どうしたんだ…なにを伝えようとしてる?

「『駄目 もうこれ以上傷つけないで この人はなにも関係ない』」

「あ? なんだ?」

 頭上から響き渡った声。声は低く、男性の声だろう。タキやグロウは、頭上を見上げる。
 すると、木の上からふわりと黒いマントを身に付けた男が降りてきた。整った顔立ちのその男は、右目や手足に包帯が巻かれていた。瞳は緑色で、光が届いていない様に見えた。
 後ろに束ねた緑色のくせ毛の髪が揺れたとき、彼は静かに語りだした。

「この子は、遠い地方からやってきた。人間のパートナーと一緒に楽しく旅をしていた。でも、その男が邪魔をした。人間を殺し、その子を無理やり連れ去った。そして今、その子は君も同じ目に遭うのでは…と思った」

 男の言葉に驚いた表情でグロウは、タキから手を離した。どうやらこの話は本当みたいだ。男は、そんなグロウをジッと見つめるとこちらへ歩み寄ってきた。

「なっ、なんだテメェーは…か、関係ねぇだろうが!」

「話はそこのジャローダから聞いてる。僕がお金を払おう」

 クジャから話を聞いた?
 獣の声が聞こえるのか!
 タキは、口を開けて間抜けそうな顔をしながら、男のやり取りを見ていた。どこからともなく上品な封筒を差し出し、タキの抱えている獣を覗きこむ。 なにが入っているのかとグロウが封筒を開けてみれば、手紙が入っていたようで何か言い掛けるが、眼をギラギラさせると封筒をしまい、眼を回すガーディの右足を持ちあげた。

「いいぜ、兄ちゃんよ。この場所にいって手紙を見せれば金はもらえんだな?」

「ああ」

「そうか、そんじゃあばよ」

 グロウは、ガーディを乱暴に持ったまま鼻歌を歌っていた。あのガーディも可哀想でならない。タキは、白い獣を男に預けて大きく息を吸った。

「おい、待てよ!」

 呼び止められるのを知っていたのか、グロウはなにも驚かずに顔だけをこちらに向ける。

「なんだ? もうテメェに用はねぇよ」

「ああ、俺もない」

「じゃあいいだろ」

「よくない」

「あ? うっせーガキだなぁ」

 流石に図々しかったのか、体ごとこちらを睨み返して来た。

「そのガーディ…もっと大切にしてやってくれ」

「うっせぇーな…関係ねぇだろーが!」

「ガーディもお前と同じ、心があるんだ」

 真剣に話すタキだが、グロウには理解できていないのか面倒くさそうに小指で耳をほじっていた。明らかに馬鹿にした態度にタキもムッと口を締める。

「俺のクジャは草タイプ。お前のガーディは炎タイプだ。きっと数カ月は一緒にいるんだろう。だけど、お前は何もガーディの事を知ろうとしなかった。それがさっき、クジャに先制攻撃したときの結果だ」

「タイプが何だって? なに言いてぇんだ? あれはコイツが悪ぃんだよ」

「違う。そのガーディ…レベルは高いほう。きっともう炎技も使えるはず。だけど、お前はそれにも気がついてない」

「ったく! うっせーぞ。なんどお前あれか? 俺が弱ぇって言いてぇんだろ?」

「ちがっ」

「マジ、うるせぇーな。俺じゃなくてこの糞が弱ぇんだよ! 何回言わせんだガキがッ!」

 ぺっとその場に唾を吐くとグロウはガーディを持って走って森の奥へと行ってしまった。ちゃんと言えなかった。けど、あのグロウの悔しそうな顔を見たらなにも言えなくなってしまった。言い方、悪かったかな…
 タキはそう思いながらも、クジャと男のもとへと戻る。戻ると男は真顔で、白い獣と一冊の本を手渡した。

「その本にはその子のことが書かれている。その子…君といたがっている。だからしばらく一緒にいればいい」

 しばらく…一緒に?
 なんで命令口調なんだろうか?
 でも、この獣と俺を助けてくれたんだ。少し変でも良い人に変わりはない。タキは本をバックにしまうと男に笑顔で一礼した。

「助けてくれてありがとうございます」

「……え」

 男は眼を見開きながらタキをジッと見つめた。さっき見たときと違って緑色のエメラルドみたいな瞳が少し輝いていた。

「別に…君を助けたわけではないよ。その子が苦しんでいたから、助けただけ…」

 恥ずかしそうにぼそぼそと小声で話している彼を見て、タキはレインと同じ類の性格の人だろうと思いこんでいた。

「ねえ…ひとつ聞いていいかい?」

 男は悲しそうに言うと胸に手を当てた。

「君は、人間と獣は幸せに生きていけると思う?」

 自信の無さそうに言う男にタキは、クジャと見つめ合いながら口を開いた。

「人間と獣は共存して幸せに生きていけるよ! 例え今はまだ不完全でも、いつか必ず…幸せに暮らせる場所を作る。それが、俺とクジャ、この国のみんなの願いなんだ」

「……そう、か」

 力の無い声で男は納得していた。もしかして、この人も遠くの地方から来た人なのか?
 それにしても、包帯だらけで大怪我を負っているみたいだ。

「あの…その傷、痛みませんか? 少しこの国に留まって、療養したほうが…」

 タキに言われて、少し気になったのか包帯の巻いてある右目を手で隠した。やはり、気にしていたのだろうか。だが、男は左目から涙を流しながら口を開いた。タキは、泣かせてしまった、と少し戸惑いながら話を聞く。

「僕は化け物だから…」

 化け物? 
 獣の声が聞こえるから?
 やはり、ここに来る途中でなにかあったのだ。白い獣がタキの肩にゆらりと乗る。

「あなたは普通の人ですよ。化け物なんかじゃないです」

「いや、僕は化け物だ。僕は…人間じゃない。さようなら。君が獣といる限り、またいつか何処かで会うだろう」

「え? あ、ちょっ」

 一方的に話をして、彼はグロウと同じく森の奥へと姿を消した。本当に不思議だった。まず、話が通じないし、何が言いたかったのかもわからなかった。きっと、彼にも色々事情があるんだろうけど…助けてもらいながら、相談に乗ってあげられなくてごめんなさい。
 よく解らないまま心の中で謝罪しているとクジャがタキのお腹をつんつん突いてきた。そして、顔を上に向けて吠えだす。空は赤色に染まり、森は静かに眠り始めている。
 大変だ…急いで戻らないと。




===




「タキ…何処だっ」

 並木の中を走っていれば、空が暗く染まっていく。早くタキを見つけなければ…。オイラは暗闇の中眼を凝らしタキを探す。すると、奥の方から綺麗な鈴の音が聞こえてくる。
 ちりーん、ちりーん、と鳴き声のような音。小さいながら、人の声も聞こえる。
 侵入者か?!
 オイラは、木の上に登るとその正体が現れるのを待つ。そして、オイラの視界に黒い影が映ると同時に凄いスピードでその相手にしんねのずつきを喰らわせた。

「いったあっ!」

 そう聞き覚えのある声が真下から聞こえると、オイラの頭上にジャローダの口が当たった。眼を丸くしてジャローダを見ると、やれやれと言いたげな表情でオイラを見つめ下に目線を移した。その下には、頭を痛そうに抱えるタキの姿がある。オイラはタキのお腹の上からそれを見つめている状態だ。

「(たっ、タキ!)」

 勘違いさせたあげく、自分のパートナーに傷を負わせてしまった。面目ない…
 オイラの大きな耳が力なく沈んでいるのを見たタキは、ようやく口を開く。

「あぁ… 暗くなっても中央広場に帰って来なかったから来たのか?」

「(違う! 大変だぞタキ! 侵入者だ! ミネズミが、サイコキネシスで倒れてっ)」

 興奮するオイラを撫でると、タキはジャローダと共にクスクス笑う。

「大丈夫だよ。俺たちがさっき追い払ったから」

「(そ、そうか…)」

 敵がもういないと聞き、オイラはほっとした。だけど、オイラは何も出来なかった。タキを見れば、タキにもジャローダにも外傷はないみたいだけどもし何かあったら…。
 自分がいても、なにもならないじゃないか。オイラのいる意味が、オイラは結局役に立てないのか…。

「ちりーん!」

 悲しむオイラの隣に来て、優しい音色を唄うのは見た事もない獣だった。オイラと同じような種の獣なのだろうか?
 ポカーンとまぬけな顔でその獣を見ていると、タキは古文書とは違う本を取り出した。

「えっと…コイツの名前は、チリーンっていうんだ。ここの国の地方とは別の場所に生息してるみたいだけど…」

 なんでこんなところに迷いこんだのかな、と疑問の声を濡らすとタキはオイラを肩に乗せて立ち上がった。そして、チリーンとジャローダを手招きすると城の方へ歩き出す。

「それにしても…今回はビクの負けだな」

 急に子供らしい、嬉しそうな顔を見せるタキ。確かに、タキはまだ少年といえるほどの幼さだが、人間の大人より気品があって優しいのに…獣達と遊んでる時は、こんな顔をするんだな。そういえば、さっきのレインとかいう人間と話していた時もこんな顔をしていたか…。
 しっかし、オイラはこの遊びに負けた覚えはない。

「(何を言ってるんだタキ。今回は非常事態だったんだぞ? オイラは負けを認める代わりに、みんなを助けようとしたんだ!)」

「はいはい、優しいんだなビクは」

「ちりりーん!」

 可笑しそうに笑うタキとチリーンにオイラは少し苛立ったが、ふいっとそっぽを向くとタキの頬に軽いビンタをお見舞いしてやった。痛そうな声を出すと、タキは頬を擦りながらチリーンに話しかけた。

「そういえば…おまえ、名前がないな…」

 むぅ、と真剣な表情でチリーンを見つめて名前を考えるタキ。オイラにも呼びやすいように、とビクと名前を付けていたが…

「(おい、タキ)」

「ん? なに」

「(ジャローダは名前で呼ばないのか?)」

「ああ…うん」

 真剣な表情が緩み、ジャローダの首をぎゅっと抱きしめる。そうすれば、ジャローダは顔を真っ赤にして大人しくタキに擦り寄ってきた。オイラには、それの意味がよくわからない。タキは、しばらくするとまた歩き出す。

「はあ…久々に自分からジャローダを抱きしめた気がする」

「(変なことを言うな、タキ。それより、ジャローダに名前はあるのか?)」

 そのほうが気になる!
 はやく話してくれ!

「あ、そうだった。俺とジャローダは、小さい時に父さんとこの地方を旅してた時会ったんだ。森の中を歩いてたら、急に俺の背中にしがみ付いてきてさ…全然離れなくて、そのまま一緒にリバリーに帰って来たんだ」

 思い出し笑いをしながら語るタキ、その隣には頬を赤らめるジャローダの姿がある。

「それで、俺はコイツのことクジャって呼んでたんだけど…周りのみんなは、ツタージャだのジャノビーだの…今の姿に変われば、今の姿の名前で呼ぶから…俺も釣られて呼んじゃうんだ。しかも、ジャローダは女の子だし、クジャって名前よりはジャローダのほうが可愛いから、そのままでいいかなぁって最近思った」

「(そ、そうか…)」

 オイラはもの珍しげに、タキと顔を赤らめるジャローダを見つめた。そんな出会いがあるんだな。つまり、ジャローダは今も昔もタキに恋とかいうのをしているわけだ。
 昔、オイラが住んでいた森で人間に恋をした獣がそのまま出ていったのも知っている。そいつも美しい歌声を持っていたな…
 ジャローダも綺麗な獣だ。でも、まさか女の子だったとは…さっきオイラを見て呆れていたのも知れるな。女は頭がいいみたいだから…オイラだって頭はいいけど。

「それにしても…チリーンかぁ……どうしようかなぁ…」

 タキはまだ名前を考えているらしい。ついには、また本を取り出してチリーンのページを見ている。悩み過ぎだぞ、タキ。
 まったく…
 そうだ、オイラならコイツの名前を考えるとしたら…
 コイツはどう見ても女の子だからなぁ…

「決まった。」

 早いなタキ。さっきまで悩んでたのに、本の力を借りた瞬間にそれか。タキは本に指をさしながら、オイラやチリーン達に説明をはじめる。その指先にある絵は黄色い鈴の獣だ。

「チリーンの前の姿は、リーシャンとかいうらしいんだ。それで、なんかどちらの姿も俺が昔見たことあるベルとかいうのに似てるんだよなぁ…」

「(それで、ベルとかいうのに似てるからなんだ?)」

「ベル。チリーン、お前は今日からベルだ!」

 タキがチリーン…ベルをそう呼ぶと、嬉しそうにベルはタキの頭上で優しく鳴く。オイラは、それでいいのかと思ったが、本当に嬉しそうなベルを見ているとそうは言えなくて…オイラもつい口に笑みをこぼしてしまった。

 タキに関わる獣も人間も…幸せそうな顔をするのは何故だろう?
 オイラは、タキのパートナーになれてよかったと思ってるぞ。
 今回はまったく役立っていなかったが、今度はタキやみんなをジャローダとベルと一緒に護ってやる。


 6話に続く…

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☣プロフィール☣
HN:
代珠
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性別:
非公開
自己紹介:
▼代珠(よず)
October 10
  学生
出身:シンオウ地方 コトブキシティ

ゲームや漫画好き。物語の構想を練るのが好物。←または捻る。←の作業時はとにかく変人になる。アップルティーが好きでチーズが嫌い。自分でよーさんとニックネームを付けている、なんか寂しい人。


▼スタ
September 20
  学生
出身:シンオウ地方 ハクタイシティ

 いつも物語の感想や間違えを指摘してくれる、代珠の心強いお友達。ホムペ等を作ってくださっています。好きなものはお猿。トラウマは、多分ゴリチュウです。
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感想・連絡・用事のある方は
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→kokoyozuyozu@mail.goo.ne.jp
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