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こn…おはよぉーございます!!
皆さん、私…よーさんは…なんと、只今8ど2ぶの熱がございますw
テンションおかしくなってるw
これを更新したらですね、学校の宿題、熱と戦うので…
冬休み(17までですけど)はもう更新しません。で、がっこはじまって慣れるまで、スキー授業とかあるので…
多分、来週は土日のどちらかです。
では、読む前の注意事項いきます!!
・男主人公。
・これから書く本編へ繋がる鍵となる章です。
・漢字の間違えとか文とか気にしない。
・主は文章能力はないからね?(´∀`)
・背景の絵写的な要素少なめ。
・↑だから心で、感じやがRE。
・うん、これはもうお話っていきだ、小説ではないNAI♪
・↑それでも誤字脱字教えてくだされば嬉しいです。
・感想嬉しスw
・これ、フィクションね(・∀・)
・そんでもって、読んだ事妄想して頭で具現化する 能力 !! コレ大事。
以上を守れる方は、下記から⑮お楽しみください。
皆さん、私…よーさんは…なんと、只今8ど2ぶの熱がございますw
テンションおかしくなってるw
これを更新したらですね、学校の宿題、熱と戦うので…
冬休み(17までですけど)はもう更新しません。で、がっこはじまって慣れるまで、スキー授業とかあるので…
多分、来週は土日のどちらかです。
では、読む前の注意事項いきます!!
・男主人公。
・これから書く本編へ繋がる鍵となる章です。
・漢字の間違えとか文とか気にしない。
・主は文章能力はないからね?(´∀`)
・背景の絵写的な要素少なめ。
・↑だから心で、感じやがRE。
・うん、これはもうお話っていきだ、小説ではないNAI♪
・↑それでも誤字脱字教えてくだされば嬉しいです。
・感想嬉しスw
・これ、フィクションね(・∀・)
・そんでもって、読んだ事妄想して頭で具現化する 能力 !! コレ大事。
以上を守れる方は、下記から⑮お楽しみください。
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突然、夜中にフレイム王様の旧友リバティ王がやってきた。その朝、突然、空からジャローダと男の子が落ちてきた。そして、今。僕は、そのジャローダの眠る部屋にいた。ガラスの天井を見上げれば、もう空が赤色に染まっていた。
このジャローダ達を見つけたのが朝だったのに、もうこんなに時間が経ってしまったのだと思う。茶紀は、部屋の中で生っている木の実を何個かもぎ取り、腕に抱えてジャローダの目の前に置くと静かにその部屋を後にした。そろそろ、ジャローダの主人も目覚めている頃だろう。何があったのか、話しを聞かないとポケモンのカウンセラーをしていても、ポケモン自身からは話は聞けないんだ。
真っ赤な日差しの掛かる廊下を歩いて、茶紀は救護室へと向かう。その横の窓から、急にぶぁっとポケモンと人間の影が映った。馴れたような顔で窓を見れば、そこにはスワンナに乗って空を飛ぶヒメの姿があった。そう、ここは三階だ。ヒメは、笑顔で片手を振りながら茶紀に声をかけた。
「茶紀君! 夕食食べに行こうよ!」
ヒメの言葉に茶紀は苦笑いをしながら首を横に振った。
「ごめん。これから、ジャローダのパートナーと話しをしに行こうと思ってたんだ」
「ふわぁ! そうなの? じゃあ、私も行くよ」
ヒメはスワンナから窓辺へ飛び降りると、そのままスワンナに笑顔で頷いた。ペコっと首を下げるとスワンナはその場を飛び立つ。残ったヒメは、茶紀の隣に着いて廊下を歩み出した。
「ヒメはもう、仕事が終わったみたいだね」
「えへへ! 天気が良くて気持ちがよかったからかなぁ…」
照れながら頭を欠くとヒメは不思議そうに茶紀を見つめる。
「ねえ、茶紀君はどうしてあの子に会いに行くの? 夕食の席で会えると思うけど…」
「ああ…少し、二人になって話したかったんだ。今日、少しの間だけどジャローダを見ていて様子が変だったんだよ。イリスからパートナーの話を聞いて、嬉しそうだったけど少し怯えているようにも見えた」
「だから…茶紀君は、あの子が何か悪いことしたんじゃなか? って思ったんだね」
そうは思いたくないが、そう思わしいと感じていた茶紀は何も口に出来なくなった。ヒメは、茶紀の目の前で顔を覗きこむとくるくる回りながら先へ進んで大きく腕を広げた。
「空はね、悪い人を見分けられるんだよ。だからといって、あの子とジャローダが悪い人だから空から落ちたんじゃないんだ。今回は、ちゃんと飛べなかったんだよ。小さな小鳥が親鳥に着いていけなくて…途中で逸れてしまったのと同じ。だから、彼は善い人なんだよ」
ね? とヒメは笑顔で茶紀にそう返す。ヒメは、いつだってよく解らない事を言う。だけど、その言葉の中には彼女の気持ちが詰まっていて、変だけど変だとは言いはれない何かがあった。
「うん、僕もヒメの言葉を信じるよ」
茶紀の言葉にヒメは頷いていた。そうだ、水の祠から彼らが出てきた時、ジャローダは必死で彼を護っていた。でも、それならなんでジャローダは彼を恐れているんだろうか。茶紀は思いながら階段を降りる。一階に着き廊下を渡ると救護室の扉をヒメは開いた。
中からは、なにやらジャローダのパートナーの他に身内二人の声が聞こえる。茶紀とヒメが救護室の隣の部屋に入ると、業と冷の姿がそこにあった。冷は、茶紀とヒメに直ぐに気付いた。
「二人ともナイスタイミングです。ちょうど彼が服を着替え終わったところですよ」
「本当に…色々お世話になって、すみません」
「いいえ、大事なお客様なんです。このくらい当たり前です」
冷の隣でベッドに腰掛けながら恥ずかしそうにそう言ったのは、ジャローダのパートナー、タキであった。茶紀は、タキを見て眼を疑った。もっと、人使いの争うな人かと思っていた。ヒメの言葉を信じなかった訳じゃないけど、こんなに丁寧な言葉を使う人だったとは。茶紀がボーっと考え込んでいるところ、業は茶紀の腕を引っ張った。そして、茶紀と冷、二人の肩を自分に寄せる。
「この緑の天然系なのが茶紀! んで、青の紳士的なのが冷! 俺とそろって三兄弟だ!」
「あはは…どうも、目覚めたみたいだね」
肩を抱き寄せられた茶紀は、タキを見て苦笑いをした。冷のほうも、業をムスッとした表情で見上げると腕を組んで口を開く。
「またこれですか。さっきもタキ君が着替えをしていた時に何度もやっていたでしょう?」
「あの時は、二人。今は三人だ! 俺達は三人で一つ! 俺達最強ぉー!!」
高らかに小さな一室で叫んだ業に、堅い拳が頭上からふってきた。茶紀と冷から手を放して、頭を抱えながらその場で屈みこむ。その真後ろでベラは腰に手を当て、鼻を鳴らすと身につけていた白衣を脱ぎ棄てた。
「仮にもここは病室だよ! 大声を出すんじゃない。まったく…城に帰ってきてこれはなんだい」
溜息をつきながらベラは業を押しのけてタキの方へ向かった。そして、タキの血色の良い顔を見る。
「うん、少しは良くなったみたいだね」
「はい、御蔭さまでもう大丈夫です」
「そうかい、そりゃ良かったけど…医者の私からは、まだ大人しくしていないと駄目と見たよ」
タキの考えなどお見通し、とベラは眼と口調で語っていた。流石、この国の女医だ。タキは負けを認めてベラに頷く。
「ふふ、よし! 良い子だ。それじゃあ、その頭の包帯を取り換えさせておくれ」
「まだこれ必要ですか? 俺…王様には迷惑をかけたくないんです」
悪気のなさそうな顔で言うタキに、ベラは眼を丸くすると大きな溜息をつきながら包帯を外した。換えの包帯とガーゼを持ってきてタキの頭に巻くとベラは言う。
「さっきの良い子は撤回だ。まだ子供だってのに、変に大人びてて感心できない子だね」
ベラに言われた言葉にタキは首を傾げた。こんなこと、今まで誰にだって言われた事がない。首を傾げるタキの顔をヒメは覗きこみにっこり笑いだす。
「はじめまして。私はヒメっていうんだ。無理しちゃ駄目だよ」
「はい、ありがとうございます。俺はタキです」
「うんうん! 空って綺麗だよね! 今度一緒に空を飛ぼう」
「え? あ、はい。是非」
会話の成立した二人を見て周りがざわついたのをタキは知らない。この二人以外の頭の中で今展開されているのは、天然子と話せるタキについてだろう。ベラは、そんな三兄弟をよそに古くなった包帯をボールに入れて水に浸した。
「そういえばアンタ達。そろそろ夕食の時間だろ? 折角だ、皆で行こう」
「お! たまにはいい事言うじゃんか」
頭を抱えていた業は厭らしい笑顔でベラを肘でつんつんと押す。冷とヒメも顔を見合わせて頷いた。ベラは皆の様子を見ると隣の部屋に行き廊下への扉を開く。それと同時に業や冷、ヒメは移動する。しかし、動かない茶紀を見て業は不思議そうにすると戻って茶紀の肩を叩いた。
「行かないのか?」
「うん、業達は先に行ってて。タキ君…少しお話しがしたいんだけどいいかな?」
「はい、大丈夫です」
真剣な顔の茶紀を見て、タキも同じく彼を見つめた。業は、そんな二人を見て何かを察するとわかったと一言言って、ベラ達と一緒に救護室を出ていってしまった。救護室の隣、病室にはタキと茶紀、二人だけになった。茶紀は、ベッドに座るタキを見降ろさない様に近くにあったパイプ椅子を目の前に持ってきてそこに座った。
「君のジャローダの事でお話をしたいんだ」
「ジャローダ?! クジャは大丈夫ですか?!」
ジャローダと耳にして我を忘れて必死で言うタキに茶紀は静かに頷く。
「うん、大丈夫だよ。タキ君のジャローダは、クジャっていう名前なんだね」
返答されて嬉しそうな顔をするタキは、子供が褒められて喜ぶそれと同じだった。茶紀は続ける。
「実は、怪我の方はなんとか治りそうなんだけど…僕はまだ、傷ついてるみたいに見えるんだ。外側からは見えない、心の傷があるように見える」
「心の…傷」
ぽつりと呟くタキに茶紀は続ける。
「外部から負った傷は時間が経てば治るけど、心の傷は誰かと時間を掛けて直していくしかない。だけど、クジャがなんで傷ついてるのか解らない…言ってはいけないけど、本当はタキ君が傷つく事をしたんだと思っていたんだ。でも、今君を見ていて違うと解ったよ。自分の傷を隠してまで人に尽くそうとしている人が、悪さなんて出来るはずない」
そう茶紀が言う中、タキはぎゅっと自分の左腕を握りしめた。タキは悲しそうに茶紀を見つめると震えた声で話し出す。
「茶紀さん…俺が悪いんだと思う」
「え…?」
タキの一言で茶紀の表情から笑顔が消えた。タキは、そんな茶紀から眼を放すとゆっくりと語りだした。
「ドリフト国で、最初に賢者が先制を仕掛けてきた時。クジャは、周りのドリフト兵に鉤爪ロープで捉えられて…俺、助けようとしたのに、結局助けられなかった。あんなに苦しそうにしてたのに…」
タキの握りしめていた左腕が赤らんでるのに気がつくと、茶紀は急いでタキの両肩を掴んだ。驚くタキに茶紀は優しい笑顔で微笑む。
「君の心も傷ついてたんだね」
子供を宥める様にタキの頭を撫でると、茶紀は椅子から立ち上がってタキに手を指し伸ばした。
「タキ君は一度、クジャとよく話し合った方がいいのかもしれない。夕食を食べてから、クジャのいる部屋に案内するよ。さあ、夕食を食べに行こう」
差しのべられた茶紀の手を借りて、タキは立ち上がった。悔しそうな顔をする彼の顔は、大切な人を思う心で一杯に溢れていた。茶紀は、そんなタキの手を握り締めて皆の集まるパーティホールへ向かった。
======
大きなパーティホールには、サザン城の召使が集まっていた。長い食卓テーブルの周りに座っているのは、執事の冷と業、医者のベラ、芸術家のアーチ、踊り子のカモミルラ、庭師のダリアン、同じく庭師のヒメ、門番のソウチク、そして最後に、ポケモンフィーリングカウンセラーのイリスだ。彼らに挟まれたテーブルの真ん中の両側には、リバティ王とフレイム王が席に座っていた。
目の前には、豪華な御馳走が並べられている。静かなホール内に、扉の開く音がした。扉からはタキの手を引く茶紀の姿があった。タキの姿を見たリバティ王は、椅子から立ち上がると声を震わせながらタキに抱きついた。
「タキ! 無事でよかった」
目の前にリバティ王様が居る。お怪我もない御様子だ。タキもリバティ王を抱きしめ返した。
「王様も御無事でなによりです」
リバティ王はタキを放すとフレイム王に笑顔で頭を下げた。タキもその場で頭を一緒に下げる。
「この度は、命を救ってくださりありがとうございます」
頭を下げたままの二人にフレイム王は首をふると優しい笑顔で空き席に手を指した。
「二人とも頭を上げてください。リバティもそんなに畏まらんでもよかろう。私とお前の仲だぞ」
「いや、すまないフレイム」
そう言いながらリバティ王は、自分の指定された席へと戻った。茶紀は、タキを連れてフレイム王の近くの席へと座った。なんで、リバティ王様の隣じゃないのだろうか。タキは不思議そうにフレイム王を見つめた。彼はとても顔立ちが整っており、年老いていてもそうは見えなかった。見つめてくるタキにフレイム王は気が着くと、その綺麗な顔立ちで微笑んだ。
「ポケモン王から話は聞いているよ。君と話がしたかった」
「フレイム王様…その前に、食事の挨拶をします」
「ああ、すまないカモミルラ。先に挨拶を行おう」
声をかけてきたのは、踊り子のカモミルラだった。細くて白い腕や指先に、琥珀の髪色が引き立っていてまるで王女様のように見える。彼女は一杯の水の入ったワイングラスを天高く持ち上げると、その小さな口を動かした。
「今ここに 王の言葉を聞け。
命とは感謝である。
食事とは命を受け取ることである。
全てが貴重である。
生と死を受け 我々は頂こう。」
カモミルラの最後の言葉にワイングラスの水は宙に浮いた。そして、水は食事の上に虹を描くように弾け飛んだ。そして、カモミルラが席に座ると皆が料理に手を出し始めた。どうやら、挨拶は終わったようだ。それにしても、水が浮くなんて信じられない。
「あの水が生きている様に見えたかな?」
男らしい大人の声で話しかけてきたフレイム王。タキは、頷くと自分のグラスの水を見つめた。
「この水が…ポケモン王なのですか?」
「はっはっ! そうとも言えるし、そうとも言えないな。奴は、水の力を操るのが上手くてな、この国内の水であればどんなところからでも姿を覗ける。君の国では、隠しカメラとでも言うんじゃないだろうか」
フレイム王はナイフとフォークを手に、料理を口に運んだ。タキも水の入ったグラスを手に取ると、口を付けて喉を潤す。周りに皆も自由に食べながら話をしていた。リバティ王様も門番のソウチクと楽しそうに話をしている。フレイム王は、タキに続ける。
「君の名前は、タキでよろしいかな?」
「はい、タキとお呼びください」
「では、タキよ。私の昔話を少し聞いておくれ」
そう言うと、フレイム王は食事を続けながら話し出した。
「私は、ポケモンと人間の共存できる世界を作るため、今までポケモン王と共に国を作ってきた。そこで、私は一人のポケモンと恋に落ちてしまった。彼女は、それは美しくてお互い出会った瞬間恋をした。彼女も居場所を探していて…私はつい、彼女を国に誘ったのだ。無理だと思ったのだが、直ぐにOKが出てな」
「両想いって凄いですね…一目惚れでお互いが結びつくなんて」
「はっはっはっ、ありがとう。彼女を連れて、私はこの国に戻た。そして、毎日この城の庭で遊ぶ日々を送っていた。すると、彼女は少し経つと一人の赤子を抱えていた。それは、小さかったがポケモンではなく、人間の形をしていた。そう、私と彼女の子供、すなわちkidだったのだ」
「ぶふぉふっ!!!!?」
話を聞きながら食べていたせいで、フレイム王の落ちにやられた。口の端からだらりとスープが流れる。隣にいた茶紀は、急いでハンカチで口を拭いてくれた。近くで見ていたイリスは、呆れて小声で子供ね、と呟いている。頬を赤くしながらタキは、茶紀に謝るとフレイム王を苦笑いしながら見た。
「フレイム王様…それは、実話…ですか?」
「そうだよ、ノンフィクションだ」
誇らしげにフレイム王は言うと、急に瞳を閉じた。先程までとは違う空気の漂うフレイム王。彼は静かに瞼を開くと眼を細くして、遠いものを見る様に口を開いた。
「だが、本来、人間とポケモンの恋は禁断の恋。それなのに、私と彼女はその禁断の恋に花を咲かせ、子供を作ってしまった。人間とポケモンの間に生まれた、この世界に存在し人間とポケモン、どちらで類を分ければよいのか解らない私と彼女の子。それでも、私達はこの国で育て暮らしていこうと努力した。しかし…恋には必ず障害を作る者がやってくる。ディスコード…彼は、人間とポケモンの間に出来た子の情報をどこからともなく拾い、私の国にやってきた」
一呼吸すると、フレイム王は続ける。
「貴方の子供を差し出しなさい。さもなくば、戦争を言いたてます。そう言って、ディスコードは私を脅して来たのだ。だが、私は彼女も子供も両方護りたかった。私は、彼女と子供を護るために…ディスコードに嘘をついて、彼女と子供をこの国から追放した。共存…と言いながらも、ここまで深い共存は人間にもポケモンにも重いものだとはじめて解らされたものだ」
「彼女と子供の行方は…? どうなったのですか?」
タキの質問に反応したのはイリスだった。イリスは席から立ち上がると、食べていた木の実をテーブルに置く。
「追放された彼女も子供も…その後の行方は解らないわ」
言いながらイリスは、同じ席で食事をしていたキバゴを抱きしめてタキの席に向かう。タキは、気迫のあるイリスの言葉を真剣に聞きいれた。業と冷も会話をしていたが、イリスの様子がおかしいことに気が着くと一旦話を切り上げて彼女を見つめた。
「タキ…フレイム王様が貴方に言いたいこと…解る?」
「イリス、席につけよ」
「業は、黙ってて」
怒鳴られた業は、一番驚いていた。今まで、こんなイリスは見た事がない。イリスは、少し悲しげな表情をすると口を大きく開いた。
「今すぐ、戦争を取り止めて」
イリスの気持ちも解らないわけではない。タキは、食器を置いてイリスを見上げた。
「さっきも言いました。俺は戦います」
「そうやって…! 駄目よ! 駄目なの! リバティ王様は混乱しているだけ。フレイム王様も止められなかった、貴方が止めるしかないのよ!」
「リバティ王様が望むのなら…俺が止める事もありません。王がそう望むのなら、俺もそれに着いていきます」
イリスはタキの言葉にカチンときたのか、椅子に座っていたタキにのしかかった。椅子から崩れ落ちたタキの胸倉を掴み、イリスはタキの上に体重を落とした。イリスは、タキを睨む。
「大体、今起ころうとしている戦争はビクティニが関わってるんでしょう?! 歴史を書き換える手伝いをした奴をどうして護るの?! そのまま追放すれば、皆、皆助かるのに!」
「……イリス。それは間違ってる」
「え…?」
さっきとは違う冷静な瞳で言うタキにイリスは肩を震わせた。イリスがタキの胸倉を掴んでいた腕を掴み、タキは冷たい眼でイリスを見上げた。
「今、リバリー国にいるビクティニは、ずっと人間達の間で買いあいされ、その中で酷い事を沢山されてきた。俺が最初にビクティニに会った時、ビクは…死人みたいな眼で俺を見てた。ビクは、そんな昔の事、憶えてないよ。でも、イリスが伝説のドラゴンポケモンが正しいと言うのなら、ビクだって正しいのかもしれない。俺の知っているビクの様に、人間に無理やりさせられた事だったのかもしれない。ビクの過去だって、人間達が好き勝手に書き綴った偽物だ」
タキはイリスの手を払いのけて上半身を起こすとイリスを見つめたまま続ける。
「ビクは関係ない。ディスコード王との戦いは、今まで好き勝手に生きてきた俺達人間の問題です。逃げたら、それこそ大切な人達を護れなくなってしまうかもしれない」
言いながらタキは、イリスを体から降ろすとその場に立ちあがってフレイム王様にお辞儀をした。
「食事中にすみません。失礼ですが、席を外させていただきます」
「え? あ、おい! タキ!」
業がタキを呼びとめる。だがタキは、そのまま茶紀と共に来た扉を開けるとホールから出ていってしまった。勿論、今までの話はこの席に座っていた誰もが耳にしていた。リバティ王は、それでも何も言わずに食事を続けている。静かにナイフが食器に音を立てる音が響く。茶紀は、持っていたフォークをテーブルに置くと席を立った。
フレイム王に深くお辞儀をすると、座り込んでいたイリスに手を差し伸べる。茶紀はイリスを立たせると肩を叩いて小声で話した。
「少し熱くなりすぎだよ、イリス」
寂しそうにそう言うと茶紀は、タキを追ってホールを後にする。イリスの両親は戦争で亡くなっている。だから少し熱くなっちゃっただけなんだ。イリスも彼を思って言っただけ。悪気はない、良い子なんだ。茶紀は、心の中でそう思いながら廊下を走っていた。走っていれば、すぐにタキは見つかった。急いでホールを出て正解だった。茶紀は、ゆっくり歩くタキの隣に着くと息を整える。
「タキ…さっきはごめんよ。でも、イリスも悪気があって言ったんじゃない。言葉はキツイ時があるけど、本当は優しい子なんだ…許してあげて」
「…わかってます」
少し仏頂面のタキだが、茶紀の言葉にはちゃんと答えてくれた。怒っているけど、彼はイリスの気持ちをちゃんと受け止めている。そのうえで、自分の答えを出したんだ。僕等に、彼を否定する事はもう出来ない。
一緒に歩いていても沈黙が流れる。茶紀は、腕を組んでうんと相槌を打つとタキの手を取って走り出した。
「ど、どこに行くんですか?」
「クジャだよ! 会いに行こう」
「クジャに?!」
「そう、クジャだよ」
茶紀は笑顔でそう言いながら階段を降りた。ここは4階。クジャのいる、フィーリング室は3階にある。階段を降りて、廊下を渡れば直ぐだ。茶紀は、タキを連れて廊下を歩いた。クジャのことも解決しないといけないし、なによりあの部屋は癒し草の匂いが充満している。癒し草の香りは、精神を落ち着かせる役割を持っている。
廊下の突き当たりに出ればいくつかある扉の中で、フィーリング室と書かれた札が貼られた扉を見つけた。茶紀は、タキの手を放すとゆっくり後ろへ下がる。
「この部屋にクジャはいるよ」
「うん、ありがとう茶紀さん。行ってくる」
茶紀の笑顔に勇気を貰い、タキはクジャのいる扉をそっと開いた。中は、暗くなっていたが天井がガラスで出来ているためか月明かりで周りが良く見えた。ガラステーブルの近くでクジャの威嚇するような瞳を見つけた。本当に何か悩んでたんだ。タキは、扉を閉めてその場で静かに声を濡らした。
「クジャ…俺だよ」
優しいタキの声にクジャは片耳をぴくっと動かした。月明かりがちょうどクジャの首元より下で途切れていて、表情を確認する事は出来ない。嬉しいのか、悲しいのか、怯えているのかも解らない。タキは、その場で静かに続ける。
「サザン国まで運んでくれたの…クジャだろ? ありがとう」
タキがそういうとクジャの顔が横に振られる。いいの、と言ってるのだろうか。今は、それさえも解らない。タキはクジャから顔を逸らすと俯きながら続ける。
「それなのに俺…お前には何もしてあげれてない。クジャが凄く苦しそうにしてても、俺は手も足も出す事が出来なかった。最低なや…ッ?!」
急にクジャのつるが伸びてきてタキの首元の傷を触った。触られた瞬間、嫌な記憶を思い出してタキは体を震わせて後ろに一歩下がった。眼を丸くして冷汗を一筋額に落すタキの手前で、クジャのつるは一度戸惑ったように踊るとすっと遠くのクジャの首元に戻って行った。
タキは、はっと我に返ると激しく首を振りながらクジャを見つめた。
「違うんだ、クジャ! これは…いきなりだったからビックリしただけで」
言いながらタキは、クジャの元へ急ぐ。避けたつもりじゃなかったのに、今のはクジャを傷つけてしまう手法のひとつだ。ようやく近づいていって、クジャの大きな体の目の前に立った。顔を見るのが怖い。けど、ちゃんと話さないと駄目だ。
決心したタキはクジャの顔を見上げた。すると、大きな雫がタキの頬へと落ちる。自分の頬に落ちた雫に驚いたりはしない、その温度を感じながらタキはクジャを驚いた顔で見つめた。泣いてる。もしかして、さっきから声を殺して泣いていたのかもしれない。クジャは涙を流したながら、またつるを伸ばしてそっとタキの首の傷跡に触れた。今度は、クジャだと解っていたからか体が震える事もなかった。
「うじゃ…クぅじゃぁ!」
人間であれば涙声というのだろうか。クジャは、自分の顔をタキの頬に擦り寄せながらずっと、耳元で鳴いていた。タキは、何度も自分の傷跡を撫でるクジャを見ていた。
「ごめん、クジャ…俺は」
「くぅじゃあ! うじゃぁ…うじゃぁあ」
鳴きながら首を何度も横に振り、クジャは傷跡から離れてつたを親指を立てる様に自分に向けた。その瞬間、タキは目尻が熱くなるのを感じると直ぐに俯いてクジャから眼を放した。今、きっとクジャをこれ以上見ていたら泣いてしまうかもしれない。
「クジャ…お前……俺が怪我したの自分のせいだって言ってるのか?」
クジャは鼻を赤くしながら、今まで抑えていた鳴き声を大きくして鳴いていた。大きな体をしならせてタキの体に纏わりつくと、タキの肩に顔を埋めて泣いていた。奇妙な鳴き声も、今ではごめんなさいと何度も謝っている様に聞こえて心が痛くて仕方なくなった。タキは、クジャの首に手を回してぎゅっと強く抱きしめた。
「馬鹿っ…俺だって何も出来なかったんだ。お前が苦しんでるの見て、また自分の傍から…」
また、自分の傍から大切な人がいなくなってしまうんじゃないか、って…怖くて寂しくてたまらなくなった。両親を失った時と同じように、心の中で何かが突然崩れていくような気がして、クジャもまた俺の目の前から消えてしまうんじゃないかって。
クジャも俺と同じ気持ちだったんだ。もう、二度と会えないと思ってたんだ。
「ごめん…ごめん、クジャ」
涙を堪えてタキは力強くクジャを抱きしめ続けた。明日、リバリー国へ帰還する。リバティ王様が小さなウォーグルを送っていた。きっともう、レインや国の人々には戦争のことが知られているだろう。帰ったら、直ぐに戦争の準備だ。
戦いなんて、本当はしたくない。クジャやレイン、国の人々、リバティ王様、ベルにビクティニ…皆で笑いながらリバリー国で暮らしていたい。戦争なんて、本当に無くなってしまえばいいのに…。
======
暗がりの中、少々荒れた長い階段を上る。ドリフト城もわずかの間で見事に荒れてしまった。ディスコード王は、苛立ちを拳に込めてダンっと壁を殴った。
「おのれ…弱い化け物と子供の分際でっ」
ディスコード王は、歯を食いしばると憎いタキとクジャの顔を思い出していた。その背後から、ずるずると何かを引きずりながら階段を上る音が聞こえて、ディスコード王は振り向く。そこにいたのは、グロウだった。
「奴を追いました。城のバルジーナで飛んで逃げていたので…裏切り者は始末しました」
力ない大きなバルジーナの体がグロウの手から離され、階段に叩きつけられた。バルジーナは、気を失うどころか白眼を向いて涙を流している。ぼろぼろに焼きつくされた体は、見ていられないほどだった。しかし、ディスコード王はその姿を見るなりにやりと嬉しそうに微笑む。グロウは続ける。
「しかし、残念ながら捕らえる事が出来ず、そのままサザン国へと落ちていきました。あの高さから落ちたので生きてはいないと思いますが…」
「いえ、あの国には有能なポケモンが住んでいます。水の力で…あの国全体を護っているのです」
「生きている、というのですか?」
グロウの言葉に頷きディスコード王は眼を瞑った。
「そういえば…貴方のポケモンの研究が済んだそうですね。戦力になりそうですか?」
「はい、前のものとは違い数段と力を得ています」
「それはよかった。そろそろ、我々も戦争の準備に取り掛からなければならないですからね」
「戦争? リバリー国とですか?」
声の調子がよくなったグロウを見て、ディスコード王は口端を上げると階段を上りはじめる。その後を助手のように歩くグロウにディスコード王は宙に両手を広げて言う。
「忌まわしき者を自分の手で殺める…貴方の願い、夢に近いものでしたね…兵部隊長」
そう言われて、グロウは同じく口端を上げると胸に手を当てた。
「はい、私は自分を弱いと言った人間を殺すのが夢です」
⑯へ続く…
PR
☣更新日時☣
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☣カテゴリー☣
☣プロフィール☣
HN:
代珠
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
▼代珠(よず)
October 10
学生
出身:シンオウ地方 コトブキシティ
ゲームや漫画好き。物語の構想を練るのが好物。←または捻る。←の作業時はとにかく変人になる。アップルティーが好きでチーズが嫌い。自分でよーさんとニックネームを付けている、なんか寂しい人。
▼スタ
September 20
学生
出身:シンオウ地方 ハクタイシティ
いつも物語の感想や間違えを指摘してくれる、代珠の心強いお友達。ホムペ等を作ってくださっています。好きなものはお猿。トラウマは、多分ゴリチュウです。
October 10
学生
出身:シンオウ地方 コトブキシティ
ゲームや漫画好き。物語の構想を練るのが好物。←または捻る。←の作業時はとにかく変人になる。アップルティーが好きでチーズが嫌い。自分でよーさんとニックネームを付けている、なんか寂しい人。
▼スタ
September 20
学生
出身:シンオウ地方 ハクタイシティ
いつも物語の感想や間違えを指摘してくれる、代珠の心強いお友達。ホムペ等を作ってくださっています。好きなものはお猿。トラウマは、多分ゴリチュウです。
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